ある日熱があり、風邪だと思ったが病院にいってみるとインフルエンザだったことがある経験をした人も多いと思います。風邪とインフルエンザは素人からすると見分けるのが難しい病気です。

インフルエンザ治療薬と一緒に頓服薬を飲むのは危険?

インフルエンザウイルスに感染すると、1日から3日程度の潜伏期間を経て、頭や喉、関節などに痛みが生じたり、高い熱が出るようになります。このため、インフルエンザ治療薬と一緒に、頓服薬として解熱鎮痛薬が処方されるケースがよくあります。しかし、インフルエンザの治療時に解熱鎮痛薬を服用する場合、薬の種類によっては体調が回復するどころか、かえって患者の身体が危険な状態になるおそれがあります。
インフルエンザ治療薬の一つであるタミフルやリレンザの添付文書を見ると、有効成分に対して過敏症の既往歴のある者のみが禁忌となっており、解熱鎮痛薬は併用禁忌とはなっていません。そのため、添付文書だけを見るとインフルエンザ治療薬と解熱鎮痛薬の併用は問題は無いとみなすことができます。しかし、解熱鎮痛薬の成分の中には、併用することで生命にかかわる病気を発症するおそれがあるものが存在しており、重篤な病気を引き起こすリスクをきちんと把握している医師は頓服薬を処方する際にはこのような医薬品を選択しないようにするか、頓服薬の処方自体をしないようにしています。
例えば、解熱鎮痛薬としてよく用いられる成分にジクロフェナクと呼ばれる物質がありますが、これをインフルエンザの患者に投与すると、脳症を発症したときに重症化しやすくなるといわれており、厚生労働省と医薬品の販売元がインフルエンザの患者に処方しないよう注意喚起が行われました。また、古くから解熱鎮痛薬として用いられているアスピリン系の医薬品もライ症候群を発症するおそれがあることから、インフルエンザの患者への投与は行われません。解熱鎮痛薬を用いる際には、比較的ゆるやかに作用するアセトアミノフェンやイブプロフェンが用いられることが多いです。